2013年5月号【吉用由美 + Nikon D800】3週目



一般的に手ブレを抑えるには、使用するレンズの1/焦点距離(秒)が最低シャッタースピードと言われている。例えば50mmなら1/50秒だ。しかし高画素化が進んでいるデジタル一眼レフカメラでこれが当てはまるのかは少々疑問。特にD800の様に約3,630万画素にもなると、更に手ブレはシビアとなる。

屋外に関してはFX機固有のボケ味を出そうとあまり絞らなかったこともあり、結果的にシャッタースピードはかなり速い。ただ屋内に関してはこれを意識してISO800未満でも行けるところを、ISO800(一部ISO500)にして撮影している。この感度の範囲ではノイズの変化も極わずか。手ブレする確立を低くする方が無難だ。アウトプットが通常版で長辺1,000px、PREMIUM版で長辺2,600pxと言うこともあり、そこまで意識しなくてもいいのだが、細かい手ブレがあると作業中気持ち悪い(笑)

今回同じ場所で扉用としてD7000でも撮影していることもあり、ほぼ同じパラメータを使い「ViewNX 2」で現像しているにも関わらず、発色が結構違う(レンズも違うが)。全体的にD800の方が色が濃く出るのと、周囲の光に敏感な様に思える。屋内も屋外もいろいろな場所から光が反射して色が混じっている。その影響を受け易く、それっぽい肌色にはなかなかならない。多分白ホリで撮影すれば素直な肌色になるのではないだろうか。逆に風景などは、その場の空気感まで写し出しそうだ。

以前から書いている点として「ViewNX 2」で1つ修正して欲しい部分がある。それは、ホワイトバランス/色味の調整量だ。0からマイナス側はマゼンタが増え、プラス側はグリーンが増え、1刻みでの調整となる。ただこの1刻みだとマゼンタ過ぎたり、グリーン過ぎたりすることがある。できれば1/2か1/3ずつ調整できると嬉しいのだが……。


この点は、原則付属のソフトウェアを使って現像すると言う、本連載の特殊事情であって、そうでなければ違うワークフローも選べ、実質的には問題にならない部分でもある。

D800を箱から取り出し確認した時、お!っと思ったのは、D7000とバッテリーが同じだったこと。もちろん付属の充電器も同じ。手持ちのものを予備にまわせるので、安心して撮影できる。結果的には1本で済み、撮影後1目盛減っていた。感覚的には少し減りは早めだろうか。解像度が高い分、いろいろな部分で消費電力が増えているのだろう。

話は少しそれるが、先日発表のあったauの「HTC J One」に搭載している「HTC UltraPixel Camera」は400万画素。スマホで800万画素以上が一般的になっている中、かなり低い画素数だ。ただこれには理由があって、センサーのサイズが同じなら、1画素の面積は大きくなり、その分、多くの光を受けることができる。結果ノイズが減り、実用感度も上がる。

もともとスマホで撮った写真はプリントしてもせいぜいL判、facebookなどにアップロードする時は思いっきり画素数を下げているので、画素数が高過ぎると使い辛く、ストレージの減りも早くなる。今回のD800とは真逆だが、用途を考えた時、注目している人も多いのではないだろうか。他のスマホに搭載しているカメラもそろそろ画素数競争は止めて同様のアプローチに期待したい。(つづく)

※gumroadの最低単価は99セントなのですが、円安の影響でPREMIUM版を100円では登録できなくなり、5月号2週目から110円へ値上げしています。ご了承下さい。


actress 吉用由美
Nikon D800
Ai AF NIKKOR 24mm f/2.8D
Ai AF NIKKOR 50mm f/1.4
Ai AF NIKKOR 85mm f/1.4D IF

music TAM Music Factory
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