2013年5月号【吉用由美 + Nikon D800】4週目



一週目に軽く書いたが、D800のAF精度は高く、最大7,360×4,912ドットの出力でFXフォーマットにも関わらず、ほとんどピントを外していない。搭載している「アドバンストマルチCAM3500FXオートフォーカスセンサーモジュール」がかなり優秀な様だ。

このAFモジュール、51点AFシステムを採用し、感度向上と低ノイズ化を施したフォーカスポイントで、月明かり程度の低輝度環境下でもAF作動が可能と同社のサイトには書かれている。加えて中央部15点は、f/5.6対応の被写体捕捉性能の高いクロスタイプセンサーを採用。筆者の場合、中央と左右両サイド-1の部分を主に使っているので丁度この15点に相当する。

長年いろいろなカメラで撮っていると、その場で明るさと発色、ピントは液晶モニタで確認、手ぶれはある程度予測可能など……構図や表情などを除く基本的な部分の失敗をできるだけ排除する癖が付いている。ただ撮影者とAFユニットとの相性がある様で、バリピンで安定するカメラもあれば、合わしたつもりが、多くのカットで合っていないカメラもある。これは同じメーカーでも機種が違えば発生することもあり、実際操作してみないと分からない。

もちろん事前のテストでスナップなど適当に撮っている時はこの問題なく、人物で手前の目にピントを合わした途端、もしくはシーンによって合わなくなるので「はて?」となる。D800に関しては心配無用で安心して撮影可能だ。


このD800はローパスフィルタレスのD800Eと言う姉妹機がある。ローパスフィルタの有無以外は同じスペックで、有効画素数36.3メガピクセルの解像度を最大限に発揮させることができるモデルとなる。但し、ローパスフィルタレスの場合、被写体によってはモアレが発生するので注意が必要だ。

ローパスフィルタレスで思い出すのは、筆者がはじめて使った古のデジタル一眼レフカメラ、Canon EOS DCS 1cそしてDCS 3cにもローパスフィルタは無く(後に出たEOS D2000は取り外し可能)、モアレが発生するケースもあったが、その色や解像感は独特のものだったと記憶している。

モアレをソフトウェア的に処理する方法として、当時マニュアルにあったのは、Photoshopを使い、イメージ/モード/RGBカラー→Labカラーへ変換、モアレの度合いに応じてaチャンネルとbチャンネルをフィルター/ぼかし(ガウス)でぼかし、またRGBカラーへ戻すと言う手法が用いられた。現在のパソコンであれば軽い処理だが、その頃の主流はMMX Pentiumでメモリ32~64MB程度。結構重い処理となる。当然この処理を行うと解像感は損なわれ、発色も変わってしまうものの、唯一の手段だったので多用していた。今となっては懐かしい思い出だ。

話し変わって6月号の撮影は一昨日完了。梅雨入りと言うこともあり、天気はイマイチだったがとりあえず雨は降らず助かった。カメラは2010年11月号【吉木りさ + キヤノンEOS 60D】以来ご無沙汰しているキヤノンのデジタルカメラが久々に登場。お楽しみに!

※gumroadの最低単価は99セントなのですが、円安の影響でPREMIUM版を100円では登録できなくなり、5月号2週目から110円へ値上げしています。ご了承下さい。


actress 吉用由美
Nikon D800
Ai AF NIKKOR 24mm f/2.8D
Ai AF NIKKOR 50mm f/1.4
Ai AF NIKKOR 85mm f/1.4D IF

music TAM Music Factory
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