2012年7月号【mao + FUJIFILM X-Pro1】3週目



7月号の多くはRAW現像せずに同時に記録しているJPEGをそのまま使っているケースがほとんど。この三週目も全カット撮って出しのJPEGをリサイズし掲載している。RAW現像の利点としては、後からホワイトバランスや露出、色味などを変更出来ることにあるが、主にこの3点がJPEGそのままでOKならば改めてRAW現像する必要性は薄れる。

今回、陽を使っているシーンは光が安定していて露出は一定、ホワイトバランスは転ぶこと無く、フィルムシミュレーション「PROVIA/スタンダード」は肌色が綺麗…と、後から特に調整する部分が無い。もちろんセレクト後一応RAW現像もしているのだが、試した範囲では、撮って出しのJPEGを超える絵は作れなかった。

残念なのは時間が無く、「PROVIA/スタンダード」以外のフィルムシミュレーションを試せなかったこと。Velvia/ビビッド、ASTIA/ソフト、PRO Neg.Hi、PRO Neg.Std、モノクロ、モノクロ+Yeフィルター、モノクロ+Rフィルター、モノクロ+Gフィルター、セピアと計10種類用意され、中でも同社のサイトに説明がある「プロ用カラー ネガフィルム」のPRO Neg.HiとPRO Neg.Stdは面白そうだ。

RAWで撮っておけば後から色々なフィルムシミュレーションで遊べそうだが、実はX-Pro1に関してのRAW現像は、”カメラ内RAW現像”と”PC上で専用版SILKYPIXを使ったRAW現像”と二種類あり、フィルムシミュレーションは前者でしか機能しない。ボディが手元にあればテスト可能だったが、撮影直後返却しているのでどうすることも出来なかった。

後者の専用版SILKYPIXは、細かく高度なパラメータの設定が出来るRAW現像ソフトで、使い勝手も良く優秀なアプリケーションだ。ただし異なるカラーモード(モノクロ/モノクロ2/標準色/記憶色1/記憶色2/美肌色1/美肌色2/美肌色3/フィルム調V1/フィルム調V2/フィルム調P/フィルム調A/フィルム調K)は持っているものの、これとフィルムシミュレーションとは連動しておらず別のものとなる。


この件は他社のデジカメで専用版SILKYPIXを同梱している場合も同様で、カメラ側とPC上でRAW現像した時とで発色が異なってしまうのだ。出来ればカメラのカラーモードには全て対応した上で、拡張もあればベスト。専用版SILKYPIXのプラグイン(?)やフィルムシミュレーション専用RAW現像ソフトなど、技術的に可能であれば是非対応をお願いしたい。

もう一点、これは筆者個人的な問題なのだが、Photoshop CS5付属のCamera RawはこのX-Pro1には対応せず、CS6での対応となる。日頃よく使う機能としてはCS5どころかCSになる以前のバージョンでも十分なので、このためだけ(以降、他のカメラでも同様の扱いになる可能性が高い)にアップデートするかどうか悩み中だ。

フィルムシミュレーションに加え、興味深いカメラの機能としては「ブラケティング機能」があげられる。一般的な”AEブラケティング”はもちろん、”ISO感度ブラケティング”(絞りシャッタースピードはそのままISO感度だけ変更)、”ダイナミックレンジブラケティング”(100%、200%、400%)、”フィルムシミュレーションブラケティング”(任意の3つ)に対応。うまく使いこなせば便利だろう。ホワイトバランスブラケティングが無いのは何か理由があるのだろうか?

今週掲載した動画が二週目に少し触れたISO1600で撮影したものとなる。カメラの設定はISO感度を含め二週目下ブロックの写真と全く同じになっている。主にモノトーンで要所要所に少しの時間カラーに戻し観てて飽きない様に編集した。部屋の明かりだけでこんな感じになるのであれば、もっといろいろ出来そうな雰囲気だ(つづく)


actress mao
FUJIFILM X-Pro1
XF18mmF2 R
XF35mmF1.4 R
music TAM Music Factory
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