新機能で面白いと思ったのは「対DX1.3×クロップ」。同社のサイトには「装着レンズの約1.5倍の焦点距離のレンズに相当する撮影画角になるDXフォーマットから、さらに約1.3倍、すなわち装着レンズの約2倍相当の撮影画角となる撮像範囲」とある。もともとDXフォーマットはFXフォーマットの周囲をクロップしている上に、更にクロップする仕掛けだ。センサーの画素数が上がっているので、少々クロップしても十分な画素数(約1540万画素)を維持でき、可能になった機能と言えよう。
この時、二倍相当になる以外に、二点メリットがある。1つ目は、有効部分が51点のフォーカスポイント画面全域とほぼ一致するため、よりAFが使い易く、追尾性も良くなる。ファインダーの中全てにAFポイントがあるとイメージすれば分かり易いだろうか。
2つ目は、ファインダーの視野率が100%以上になり、スポーツなど動きの激しい被写体を追う時は、いきなりファインダー内に飛び込んで来ると反応が遅れるため、周囲が見えている方が有利となる。逆にポートレートなどは周囲に不要なものがあって撮り辛くなるだろう。
実はこの機能を見たとき、古のデジタル一眼レフカメラ、Canon EOS DCS 1c/3cを思い出した。1cで約1.3倍、3cで約1.7倍になるのだが、ファインダーは銀塩カメラのボディのまま、該当する範囲に枠があるだけで周囲はそのまま見えていた。用途や理由は違えど、同じ事がまた繰り返されているとは、なかなか興味深いものだ。
もちろんこの「対DX1.3×クロップ」はDムービーでも有効。但し、動画のアスペクト比は16:9に固定される。今回の動画では使わなかったが、単焦点レンズの場合は、例えばある程度引きの絵を撮っていて、撮影位置を変えず、対DX1.3×クロップで各パーツのアップを撮るなどすれば便利そうだ。
三週目で触れた、数が増え、並びが替わってD7000ユーザーから見ると使い難くなった左側のボタンの中、[iボタン]は、慣れれば便利な機能が備わっている。ファインダー使用時はインフォ画面下部に表示されている撮影時の設定を変更、ライブビュー撮影時は設定を変更できる機能の一覧、再生時は画像編集メニューを直接呼び出せる。
ただ個人的には、ボタンの数を一つ増やしてまで必要な機能かどうかは若干疑問。エントリーモデルなら分かる気もするが、D7100はDXフォーマットのハイエンド機。立ち位置が違う様な気がしないでもない。
さて、8月は金曜日が5回ある関係から、8月2日(金)は一回お休みし、8月9日(金)から8月号のスタートとなる。カメラやタレントの情報は、追ってFacebook pageで公開する予定だ。8月号をお楽しみに!